「おじさんばっかり」のイメージはもう古い?新時代のタクシー業界に注目!【互助交通有限会社 中澤睦雄さん】

「おじさんばっかり」のイメージはもう古い?新時代のタクシー業界に注目!【互助交通有限会社 中澤睦雄さん】

この記事は2016年4月に行ったインタビューを元に制作されたものです。
この記事に登場する1期生メンバーは2016年7月末を以って卒業しております。

アイコン_さやこんにちは!キチョハナカンシャのさやです!

皆さんは「タクシー業界」にどんなイメージを持っていますか?
特に新しいことも起こらない保守的な業界。運転手は「おじさんばっかり」。急激に衰退することもないけど成長することもない。ぶっちゃけ、つまらない……正直、私も今回のインタビューまではそう思っていました…!!

そんな中で出会った互助交通有限会社さんは、英国風のおしゃれな「ロンドンタクシー」を走らせたり、キャラクターでラッピングされた痛車を発表したりと、一風変わった、というかかなり個性的で独特な事業を展開するタクシー会社。
今回は代表の中澤睦雄さんにお会いして、個性的な事業・PRの裏側や想い、タクシー業界のイメージを変えるお話をたくさん聞いてきました!

今回お話を伺った方:
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互助交通有限会社 専務取締役
中澤睦雄さん

 

■タクシー業界に革命を!個性的なPRで届けたい想いとは…

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———互助交通さんは昭和30年創業なんですね。

61年かな、今年で。

———すごい!長いですね…!

うん、長いには長いね。一般のお店なら老舗だけど、タクシー業界ってみんな古いんだよ。そういう意味では守られてきた業界ではあるけれど、いまは厳しいですね。

———厳しい理由は?

一番の理由は人不足。2020年のオリンピックに向けて、トラック運転手の需要が増えています。トラック業界は人手が足りない場合給料を上げて対処することができるが、タクシー乗務員は運賃が決まっているのでなかなか難しいものがありますね。
あとタクシーには「おじさん」ってイメージが強くてどうしても若い方入ってこない。私たち業界側も運転のスキルや経験ばかりを重視して、若い人の採用に力を入れてこなかったしね。

———それでいま採用やPRに力を入れているんですね。

いまは若い人を育てるのに時間かけています。うちは一昨年から。中小の会社さんだとまだまだ、冒険しない会社さんが多いんですよね。キチョハナカンシャって言われて、ああ!って思う社長は僕くらいじゃないかな(笑)。

———ありがとうございます(笑)。

前にキチョハナカンシャさんのことをテレビのニュースで見てこういう就活のやり方もあるんだ、すごいなって思って覚えていました。
最近は人気のブロガー「よっぴー」さんとコラボもして記事を書いてもらってます。

———それもまたかなり独特な施策ですね!他にも何かされているんですか?

ニコニコ超会議にブース出します、痛車で。

———痛車で出すんですか!(笑)

そうなんです。
ほんとは昨年12月のコミケに出せたんだけど、10月にロンドンタクシーを出していて、それでいきなり12月のコミケに痛車出したら、ちょっとうちの企業イメージまずいかなと思って(笑)。

———それでニコニコ超会議に出すんですね。

しかも、東芝さんなど他企業にも協力していただいてブースを出します。みなさんが来てくれたらとても嬉しいですよ。

———行きたい!

ぜひ痛車と一緒に写真撮ってください。

———他の会社さんと比べてユニークなPRをされていますよね

そうですね、まずは業界のイメージを変えようと思っています。だって大学に行って就活をしている学生だと、まず「タクシー業界」ってだけで興味を持てない人が大半でしょ?
でもそれは私たちの業界が若い方に対してウェルカムな雰囲気をつくってこなかった、という背景があるからこそなので、反省と改善を積み重ねて、数年かけてイメージを変えていきたい。「タクシー会社に就職する」という選択肢を一般的なものにしたいと思っています。

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———業界のイメージを変えるところから考えていらっしゃるんですね。

いろいろな形で発信して、業界を知ってもらって、そして私たちの会社を知ってもらいたいです。今重要視しているのはブランディングで、会社のカラーを決めようとか、社員の意志統一とか。
ロンドンタクシーもとにかく「タクシー業界でもなんでもできるんだよ、面白いことができるんだよ」って。そういうことを伝えたいと思って実施した施策でした。

———確かに「ロンドンタクシー」はかわいいし、広告としても面白いし、素敵だなと思いました。

タクシーって思い出に残らないでしょ。乗ったって移動手段で、残ってもマイナスイメージだったりして。新幹線とか乗った時に一緒に新幹線の前で写真撮る様に、タクシーの前で写真撮る人なんてまず皆無?います?

———普通の人は撮らないと思いますけど…私は撮るんですよね(笑)。

あー。こういうね、レアな方がいる(笑)。

———タクシーで移動中って、つぶやいちゃいます。

タクシーマニアですね(笑)。とにかくお客さんの記憶に残る車を走らせようと思ってロンドンタクシーをだしたんですが、その活動を通じて、意外とタクシーに興味をもってくれている、あなたのような人(笑)もいるということがわかって、それはモチベーションの面でかなり大きな想定外の収穫でしたね。

———新卒の方もマーケティングに興味があって入社する人が多いんですか?

いや全然関係ないです。マーケティングなんて大それたことは考えてなくて、とにかくおもしろいPRのアイディアはやるようにしています。

———PRを見て入った方はいますか?

「よっぴー」さんとコラボした記事をみて、それを見て来たって人が3人入りましたね。

———すごい!

記事はずっと残っているから、会社の筋をつくりつつ、発信するコンテンツを探しています。

■実はかなりハマる仕事なんですよ。

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———これからも新しいことをやっていくということですが、学生に求めることってありますか?

それ、よく聞かれるんだけど、あんまりないんだよね(笑)。僕は素直な子が好き。自分がやらなければいけないことを自ずと理解して、一生懸命取り組めるということが大事ですよね。タクシーって事務所にみんなで机並べて仕事するわけじゃないから、楽をしようと思えばいくらでも楽できちゃう。だから自分で目標をしっかり立てて管理できる人を求めています。強いて言えばね(笑)。

———タクシーの運転手さんって働いている時間はどうなっているんですか?朝から夜遅くまで寝られていないイメージがあります。

そのイメージは大きな間違いなんだよね。私たちの会社は朝7時半に出勤して、途中3時間の休憩があって、翌日の午前2時くらいまではお仕事です。2時に会社に帰ってきてからは始発まで休憩して、家帰ったらその日はまるまるお休みなんです。

———週3日しか出勤しないんですか?

そうなんですよ。一般企業で厳しい世界入って、残業が当たり前の様にあって、また次の日いつもの時間に会社行かなきゃいけないほうがヘビーなんだよね。

———なるほど。自分の時間がつくれるのってすごくいいですね。

仕事はもちろん一生懸命、でも趣味や勉強もしたい!という人にはすごく向いています。自分の自由な時間はいくらでもつくれる仕事です。

———資格の勉強とかしている人にはいいですね!

起業したい学生さんにも勧めています。起業するお金を稼ぐために1日置きに働いて、空いてる時間は勉強する。資金や準備が整ったら起業しますって。次の夢がある人は喜んで送り出しますよ。お客さまとの繋がりが意外な力になったりすることもありますしね。

———そうやって入ってきた人はいますか?

「起業するために」という人はまだいないです。タクシーって思ったより楽しい仕事なので慣れちゃうとハマっちゃう仕事ではあります(笑)。転職のつなぎのつもりで来て、そのままずーっとうちにいる人もいますので。ある意味ではぬるま湯(笑)。

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———ゆるま湯なんて言っちゃっていいんですか(笑)

冗談半分の例え話です(笑)。もちろんやりがいもありますよ!今の人達って「人のためになりたい」と考える学生さんが多いと思うんだけど、タクシーも小さなところで人のためになっている仕事です。例えば学生さんだと普段タクシーには乗らないでしょ?

———あまり乗らないですね。

乗るとしたら大雨だとか困っている時で、それをサポートするのが私たちなんです。ビジネスマンの通勤時間を自由に使える時間にするためのサポート。高齢の方が病院に行く足となるサポート…私たちは自分の仕事の捉え方をそういう視点に変えていくようにしています。
大手さんはタクシードライバーって言わないでドライバーの呼び方を変えていますよ。

———女性のドライバーっていますか?

うちはまだいないんですよ。女の子いたらPRになるかな。みなさんどうですか?

———免許とらなきゃ(笑)。

そこからなんですね(笑)。例えば極端な話だけど、皆さんのようなアイドルや有名人とかにうちにドライバーとして登録してもらって、毎月固定給を出して、日頃何してもらっても結構だよってのも面白いと思うんだよね。週に何回かは顔を出してもらって、仕事風景とか研修風景とか見てもらうとかね。

———すぐ新しいPRアイデアが…(笑)

どんな形であれとにかくタクシー業界にも注目してみようかなって思ってもらいたいね。女子大学生の子もいれたいです。要は新鮮な子…新鮮な子っていい方すごい変だな(笑)。

———生々しい(笑)。

(笑)フレッシュな子達。そういう子が入ってくると会社の雰囲気変わるんだよね。

———それはかなり変わりそうですね!

今まで新卒入れていなかったけれど、去年2人入って変わったんだよね。おじさんたちがものすごく面倒見るんだよ。孫みたいに可愛がるんだよね。これまで割と個人主義だったのが、自分のお休みの日を費やしてもその子達の運転見てあげたり、一緒にドライブしていろんなとこ見せてあげたり。そういう人がでてくるとは思ってなかったよ。

———本当に孫みたいな感じなのかもしれないですね。

若い子達が入ったことに対する抵抗感はないどころか、本当に嬉しいみたい。代表としては、最初は怖かったけどね。これで女の子がはいったらもっと雰囲気変わるだろうけど、ちょっと怖いかな、隔離しなきゃいけないかな(笑)。

———新鮮な女の子ですから(笑)。

■タクシーのドライバーさんは接客の神様。努力の賜物なんです。

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———入社して身につくスキルはありますか?

うーん、まあ地理とかそういうのは当たり前だけど、接客というか、人の接し方というのは身につきます。不特定多数のいろんなお客さんで、しかも個室で、長時間一緒に接しているんで、お客さんの人間性が出てきます。そことどう向き合うかという意味で、接遇の部分はすごいスキルあがると思います。

———それじゃあ逆に、接客が苦手な方っていますか?

おじさんだけどいましたよ。なかなか声が出せない人で、会社の中でも笑顔が出来なくて。年中苦情が来てその度に話して、それでもずっと一緒にやってきたら今は普通に喋るし笑顔もできるようになりました。時間はかかっても変われる部分だと思います。

———変われるのは凄いことですけど、変わるまで待ってくれるっていうのも本当に素敵な会社ですね。ダブルワークされている方はいますか?

ダブルワークはだめなんです。人様の命を預かる仕事なので、仕事する時に疲れが残っていない様に基本的にはだめです。入社する時にそういう(肉体疲労につながる仕事との兼業の)申し入れがあれば採用できないですね。

———ちなみに今まで乗せた人で一番変なお客さんは?

それね、僕、運転していないからわからない(笑)。
でもまあいろんな方がいますよ。前の仕事からこの仕事に転職してきたら驚きました。人間は変わりますよ、その時その時、場合で、意外と怖いんだなって思いますね(笑)。

———名言ですね(笑)。トラブルが起きた時とかは解決もされるんですか?

私は直接はやらないけど、営業の担当がします。基本的には運転手さんがその場で解決して、それでも納得できない場合は会社が責任を持ちます。私も土下座しに行ったこともあります。

———えー!!!

まだ業界に入ったばかりの頃にありましたね。でも、いいお客さんがだいたいですし、どの運転手さんも真剣に、おもてなしの心を持って頑張ってくれています。東京のタクシーってランク付けされていて、一年で違反だとか苦情がない会社は毎年表彰式があるんですよ。それでうちは13年連続、1年置いて、いまは7年連続表彰されています。今年で8年目ですね。

———それはすごいですね!

運転手のみんなが意識高く持ってやってくれているおかげです。そうなると自尊心が動いて、お互いが守ろうって気持ちが強くなるんです。最初の頃よりもずいぶん自分たちで会社を守っていく形が出来ました。

———最初から最後まで、タクシーの知らなかった面が聞けて本当に楽しい時間でした。最後に就活生に伝えたいメッセージをお願いします!

目標が決まっている方は、それに向かって走っていってください。でも就職活動をやるからには企業に誠意を持って接してほしいです。企業の方も誠意を持って接してくれていると思うから。目標が決まっていない方は、企業の持っているイメージだけじゃなく、とにかく色んなとこを少しずつでもいいからできる限り見て、自分と向き合って、本当にやりたいことを本当に考え抜いてもらうと未来が広がるのかなと思います。

———はい!貴重なお話ありがとうございました!

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